
くらしの中で「服が多くてごちゃごちゃ」「その割に着る服がない…」と感じること、ありますよね。忙しい朝にクローゼットの前で立ち尽くし、「何を着よう…」と悩む時間。そんなもやもやをすっきり解消してくれるのが「1年間ルール」という考え方です。
このルールは、1年間まったく着なかった服を目印に“本当に必要な服だけ”を残すシンプルな方法。ファッションの流行や周囲の目に振り回されず、自分の暮らしに合った心地よいワードローブを作ることができます。初心者でも気軽に始められて、続けるうちに自然と片づいたクローゼットが手に入ります。
なぜ「1年間ルール」が効果的なのか

「1年間着なかった服」は、これから先も着る可能性が低いと言われています。これは、わたしたちが“気分”や“ライフスタイルの変化”によって服の好みが変わるからです。お気に入りだったワンピースも、時間が経つと「今の自分には少し違うかも」と感じるようになることがあります。さらに、ライフステージの変化──たとえば職場環境の変化や体型の変化、趣味の違いなど──によっても、服の選び方や必要なスタイルは大きく変わります。以前はよく着ていた服が今は合わないと感じるのは、自然なことなのです。
また、着ない服があると「もったいない」「捨てるのがかわいそう」と罪悪感を抱きがち。でも“1年間”という明確な期限を決めることで、迷いが減り、気持ちが整理しやすくなります。「まだ着られるかも…」とためらう服も、「1年着なければ手放してOK」と決めておけば心がぐっと軽くなります。さらに、このルールは“自分の判断基準をつくる”という点でもとても役立ちます。期間を区切ることで、感情に流されず客観的に見直すことができ、結果としてスムーズな整理ができます。
服が減ると、クローゼットの中が見やすくなり、今ある服をもっと大切に着るようになります。自然と“お気に入りの服を何度も着る”という心地よいサイクルが生まれるのです。そしてこのサイクルが続くことで、「本当に好きな服」「似合う服」「心地よい素材」に気づけるようになり、自分らしいスタイルが少しずつ確立されていきます。
「1年間ルール」のやり方(ステップ形式)
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① いったん、クローゼットをからっぽにする
まずはすべての服を取り出して、自分がどれだけ持っているかを“見える化”します。意外と似たような服がたくさんあることに気づくかもしれません。取り出すときには、アクセサリーやバッグなどの小物も一緒にチェックしてみましょう。持ち物全体を把握すると、自分の好みや傾向がよりはっきり見えてきます。さらに、服を取り出した後にクローゼットを軽く掃除しておくと、気分もリフレッシュできます。
② この1年で着た服・着なかった服を分ける
季節ごとに分けると判断がしやすくなります。春夏と秋冬で仕分けするのがおすすめです。分ける際には、“気に入っているけれど着なかった服”“もらったけど出番がない服”など、理由もメモしておくと後で振り返りに役立ちます。こうして分析すると、自分がどんな服を選びがちなのか、なぜ着なかったのかが見えてきます。
③ 着なかった服に日付タグをつける
紙のタグやマスキングテープに今日の日付を書き、ハンガーや服の袖に貼っておきましょう。アプリやノートで管理するのも◎。タグをつけると、1年間という期間を意識でき、着るかどうかの判断がより明確になります。もし余裕があれば、タグの色を季節やカテゴリーごとに変えると管理がしやすく、見た目も楽しくなります。
④ 1年後、タグがついたままの服は手放す
「1年間着なかった服」は、今のあなたに必要がなくなった服です。感謝の気持ちを込めて手放すと、心もすっきりします。迷う場合は“保留ボックス”を作ってワンクッション置いてもOKです。保留期間を2〜3か月と決めておくと、後で再び冷静に判断できます。また、手放す際には、寄付やリサイクルなど再利用の方法を考えると、環境にもやさしく気持ちも前向きになります。
服を減らすことで得られるメリット

- 朝の準備が驚くほどスムーズになる
- クローゼットがすっきりしてきれいに見える
- 無駄な買い物が減って節約にもつながる
- 「自分に似合う服」「好きな服」が明確になる
- 着回しがしやすくなり、毎日のコーディネートに迷わない
- 部屋全体の印象が明るくなり、掃除も楽になる
服を減らすことで得られるのは、単なる“収納スペース”ではありません。心のゆとりです。服が整理されると、気持ちまで軽くなり、日々の選択がスムーズになります。お気に入りの服だけに囲まれた暮らしは、思った以上に豊かで気持ちのいいものです。さらに、服が減ることで「買うときに本当に必要かどうか」を自然と考えるようになり、衝動買いが減ります。結果的に、お金や時間をより大切に使えるようになります。
また、少ない服で過ごすことで「一つひとつを丁寧に扱う」習慣も身につきます。お気に入りの服を大切にメンテナンスする時間は、まるで自分自身をいたわるような穏やかなひととき。そんな小さな積み重ねが、暮らし全体を心地よく整えてくれるのです。
失敗しないためのコツと注意点

- いきなり全部捨てようとしない。焦らず少しずつがポイント。時間をかけて見直すことで、後悔が少なくなります。特に初めての人は、まずは“1ジャンルずつ”がおすすめ。たとえばトップスだけ、バッグだけというように、小さなステップから始めましょう。
- 季節ごとに見直すと、気候や気分の変化に合わせやすい。春夏・秋冬の区切りで見直すと、自分の好みや必要なアイテムの変化が見えやすくなります。さらに、シーズンごとの振り返りノートをつけておくと、翌年の参考にもなります。
- 思い出の服は“記念ボックス”にまとめて保管する。すべてを無理に手放す必要はありません。写真を撮って残したり、箱にきれいにしまったりして「大切な思い出」として整理すれば、罪悪感なく片づけられます。
- 手放した記録を写真やノートに残すと、達成感が続く。ビフォーアフターの写真を見返すと、努力の成果が感じられ、モチベーション維持にも役立ちます。また、SNSで共有すると同じ悩みを持つ人と励まし合えるかもしれません。
- 周囲と比べないことも大切です。ミニマリストを目指しすぎて疲れてしまうより、自分が心地よいと思える量を見つけることをゴールにしましょう。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。1着ずつ、気持ちに向き合いながら見直していけば、無理なく続けられます。自分のペースを大切にすることが、長く続けるいちばんのコツです。少しずつでも続けていくうちに、気づけばクローゼットも心もすっきり軽くなっているはずです。
よくある質問(Q&A)
Q1:季節ごとに分けたほうがいいですか?
→ はい。春夏と秋冬の2シーズンで考えると、バランスよく判断できます。季節の変わり目ごとに見直すと、より効果的です。
Q2:高かった服も手放すべき?
→ 値段ではなく“どれだけ着たか”を基準にしましょう。高価な服でも、出番がなければ“今のあなたには不要”というサイン。写真に残してから手放すと、気持ちよく区切りがつきます。
Q3:手放した服はどうすればいい?
→ フリマアプリやリサイクルショップに出す、友人に譲る、寄付するなど、さまざまな方法があります。自分が納得できる形を選ぶのが大切です。「次に使ってくれる人がいる」と思えば、心が軽くなります。
Q4:途中で挫折しそうなときは?
→ 無理に続けようとせず、少し休んでOK。モチベーションが戻ったら、1枚だけ手放すことから再開しましょう。完璧を求めないことが成功の秘訣です。
まとめ|「1年間ルール」で無理なく服を減らそう

- 「1年間着ない服」は、あなたの日常に必要ない服。
- 手放すことで“今の自分に似合う服”が見えてくる。
- 今日から「1着だけ減らす」ことから始めてみよう。
- 少しの工夫で毎日の選択が軽くなり、自分のスタイルを再発見できる。
服を整理することは、暮らしを整える第一歩。モノを減らすことで、心にもゆとりが生まれます。さらに、スッキリとしたクローゼットは、毎朝の支度を気持ちよくしてくれるだけでなく、自信や幸福感にもつながります。あなたの周りにあるものが少なくなるほど、“本当に大切なもの”がより鮮明に見えてくるでしょう。
もし今、クローゼットの中を開けて少し窮屈に感じるなら、それは新しいステップを始めるサインかもしれません。まずは1着、いらない服を取り出してみましょう。その小さな行動が、明日のあなたをもっと軽やかに、前向きにしてくれます。
無理せず続けるうちに、あなたのクローゼットはスッキリ整い、毎日のファッションがもっと楽しくなるはずです。服を減らすという行動が、やがて“自分を大切にする習慣”へと変わっていくでしょう。